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古くなったモノを生まれ変わらせる
街の小さな工房 U.C.P(upcycled products)
May 18 2016

 

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石巻市立町中心街、富貴丁通りにある小さな工房『U.C.Pupcycled products』。

工房の名前の由来にもなっているアップサイクルとは、

いらなくなったモノや捨てられるモノを別な視点からとらえ、

新たな価値を生み出す製品に作り変えること。

U.C.Pは、古くなったモノに新しい価値観をプラスして、長く愛せるモノを制作する他に、

まちのヒトが持ち寄る壊れてしまったモノの修理も請け負う。

二人も入ればぎゅうぎゅうになってしまう小さな場所から、

ヒトとモノの関係に愛情を注ぎ込む男、山内 健嗣にインタビュー。

 

ーなぜ、アップサイクルのお店を開こうと思ったんですか?

 

山内 : 最初は家具を作りたかったんだけど、やっぱり家具はハードル高いなあって。

でも、なんかモノ作りはしたくて。既存の物に手を加えるとか、そういうものなら、

自分にもできるかなと。ネットで情報を探しているうちに、海外サイトに載っていた

「アップサイクル」という言葉に出会って。これなら自分にもできるんじゃねって。

 

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ーゼロからのスタート。石巻で新しいことにチャレンジしようと思ったきっかけは?

 

山内 : 周りの人たちに恵まれたのかなって、いつのまにか。こういうことをやりたいって

話を覚えていてくれた人が、情報提供してくれたり、空き店舗を紹介してくれたり、

この本参考になるよーとか教えてくれたり。一人ではなにも出来なかったね。ここも、

狭いけど工夫して使えばなんとかなるかなあって。今では割と気に入ってる。最初は

ちょっと不安だったけど。

 

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ー不安の中でも行動してきたエネルギーの源は、やはりモノ作りが好きというところ?

 

山内 : うん、昔からインテリアをいじったり、簡単な日曜大工は自宅でやっていて。

といっても、板を切って、ねじを止めるぐらいだけど。丸鋸とかかっこいいからつい

買っちゃって。だけど、音がいかんせん大きいから、アパートでは使えなくて。一回

びゅうん!って回してみて、あ、これはダメだって笑 最近はようやく引っ張りだし

て使ってますね。

 

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ー丸鋸をつい買っちゃうんですね笑 これまでどのようなモノを作られたんですか?

 

山内 : 古い鍵を使った物掛けとか、襖のレールをフライヤー置きにしたり。カーブミラーを

お店の看板にしてみたり。最近頼まれたのは、テーブルの色の塗り替えだったり、壊れた

道具や家具の修理。それこそ、近所のお茶屋さんのご主人が、壊れてしまったおぼんを

持ってきたり。活用方法を考えながら預かっていますね。

 

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ー訪れる人は年代問わず。まちなかならではの交流がありそうですね。

 

山内 : そうですね、助け合いみたいな感覚がありますね。向かいのお店の改装の際に

出た廃材で何か作ったり、玄関の扉の建て付けを直したらケーキをもらったりとか。

余った木材は、近所のお店のストーブの燃料にしたりとか、物々交換ではないけど、

ギブ&テイクのようなやりとり。

 

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ー石巻で、あるものを活かそうという動きが増えてきていますよね。このまちにおいて

アップサイクルという考え方はすごいマッチしている気がします。

 

山内 : 一度、全てのモノを失った人がたくさんいるわけで。ぼろぼろの椅子だったけど、

思い入れがあったんだよ、とかそういう話はよく聞くね。新しいモノを買うのは、

簡単だけど、元々あるもので、さらに手を加えて長く使うことで愛着湧くしね。

 

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ー世界に愛着を増やす仕事だなって思いました。今後はどのような活動を?

 

山内 : なるべく多くの人に、一から作らない物作りがあるってことを伝えていきたいかな。

買い替えるのではなくて、持っているものでよりよく出来ることを考えた方が素敵かなと

思って。そして、人の心を動かせるようなものを作っていけたらなって思っています。

 

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山内 健嗣 U.C.P(upcycled products)代表
address|宮城県石巻市立町2-5-20
tel|090-2023-1261
Write | Yu Shimawaki
Photo | 佐藤 赤