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若い世代へ引き継がれる日本茶文化
あさひ園
May 15 2017

 

石巻駅から歩いて約10分。賑やかなまちなかとはまた違った、穏やかな雰囲気の旭町には、

昭和を感じさせるお店がいくつか。旭町踏切の手前にある和風のお店が「お茶のあさひ園」。

 

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お店に入ると和を連想させる赤くて大きい傘が。野点傘(のだてがさ)というらしいです。

 

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店内奥には8畳ほどのお茶室が。床の間や湯を沸かすための炉、茶器を洗う水屋などの設備を

備えた本格的な茶室。貸し出しも可能。説明してくださったのは、日野雅晴さん。昭和47年

から親族経営で続くあさひ園の園主です。

 

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もちろん茶器や日本茶も取り揃えています。扱っているお茶は数百円の物も多くリーズナブル。

聞くと、「ひとつの高価なお茶よりも色々なお茶を味わって欲しいんです。」とのこと。

 

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この4月には雅晴さんの娘・朱夏(あやか)さん。が東京からUターン。笑った顔がそっくり。

 

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緑茶アドバイザーの資格を持つ朱夏さんに緑茶を淹れていただきながら。

 

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あさひ園は東日本大震災で被災。旧北上川の氾濫により1階の店舗部分が浸水。一時は営業が

できなくなりましたが、翌年より営業再開。2013年にはお店をリニューアルしました。

 

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朱夏さんは2011年の3月に進学のために東京へ。東京で就職したのち、あさひ園を継ぐた

めに石巻に戻ってきました。「家の手伝いはこれまでもしていたけれど、ようやく実家で働く

ことに慣れてきました。」娘が帰ってきたことを機に、「自分たちが築いてきた文化を、今度

は若い世代に引き継いでいきたい。」と話す雅晴さん。

 

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そんな想いから若者向けの商品も積極的に開発しています。地元石巻の桃生産で、知る人ぞ知る

銘茶として人気が高い「桃生茶」を使った和紅茶「kitaha」。渋みが少なく、すっきりとしてい

ながらも残る緑茶の爽やかな味わいは、北限で育った桃生茶にしか出せない味。上品で飽きのこ

ない味わいから、販売前の段階で「人にプレゼントしたい!」と問い合わせが来ているそう。

6月頃からあさひ園と立町の日高見レストランで販売されるそうです。

 

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取材中、ほのかに緑茶の清々しい香りが漂っていました。

緑茶をろうそくでじんわりと焙煎する茶香炉です。

 

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親子3代で紡いできたお茶屋さんの歴史は、これからどのように続いてゆくのでしょう。

お茶を燻すように少しずつ色が変わって、新しく親しまれるものになるさまを、お茶の香りに

包まれながら見守るのも乙かもしれません。

 

お茶のあさひ園
address|宮城県石巻市旭町10-8

web|asahien-japanesetea.com
open| 9:00~19:00(日曜定休)
tel|0225-22-2887
Photo write|Akiho Sato
Edit | シマワキ ユウ