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防潮堤、このままでいいですか?
太田和美
March 11 2017

 

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3月8日、石巻市の狐崎漁港で震災前の浜の写真を防潮堤に投影するイベントが開催された。

地元住民ら約30名が集まり、思い出が詰まった写真を一枚一枚を懐かしそうに眺めていた。

まだ夜風が身にしみる季節。会場では甘酒がふるまわれ、終始温かく和やかな雰囲気だった。

 

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このイベントを企画したのは、太田和美さん(29)。約1年前に狐崎浜に移住した。昨年

末から地元住民や知り合いに声をかけて準備を進めてきた。

 

防潮堤に、何を思うのか。

 

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防潮堤が立つことで牡鹿半島の美しい浜風景が失われてしまう寂しさと焦りと怒り。でも、

それは防潮堤賛成とか反対とかじゃなくて、ただの壁になってしまっていることに疑問を感

じる。時間と心の余裕を持って、海と浜の生活が共存できるものにするにはどうすべきかを

考えなきゃいけない。

 

海と浜の生活の共存。住民のみんなで意見を交わし合う場を作るのが目的だった。太田さん

はなぜ、この浜に住むことにしたのか。

 

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“流れついた笑。知り合いづてで紹介されたのが狐崎だっただけ。ただ、狭い山道と路地を

抜けた先に広がる海を見たときのトキメキ半端なくて。浜の神社の話を聞くとこれまたトキ

メキメモリアル。私の母方の祖母の実家が竹駒神社(岩沼)の神事とか手伝っていたんだけど、

牡鹿半島の侍浜と狐崎浜のお稲荷さんが竹駒神社から分霊されたものというのを地元の人か

ら聞いてこれでロックオン。浜の人たちも優しい人ばっかりだし。”

 

 

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太田さんの感性に響いた狐崎の風景と歴史と人。太田さんはアーティストとしても活動をし

ている。「ホヤ」と女性の象徴「おっぱい」をオマージュした「HOYAPAI」。街中や展示、

イベントに神出鬼没し、道行く人の目を惹きつけてきた。これまでの活動と今回のイベント

の重なる部分について、太田さんはこう語る。

 

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“愛だよ、愛。おっぱいも、ホヤも、海も、浜のみなさんも、町の記憶も、同じ空間を楽しめ

る時間も、私の愛を託してる。”

 

愛。彼女のトキメキは、この世界で散らばったものをつなげる。忘れていたものだったり、

懐かしくて、温かいものだったり。

 

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最後に、このイベントを開催して発見したことを聞いた。


“アートとかクリエイティブとかはまだまだ牡鹿半島は未開拓な地。でも、それを面白がって

くれるイケイケな地元民がいる!”

 

現在、防潮堤の工事は一時停止をしている。いつ再開されるかはわからない。

ただ、浜の歴史は続いていく。トキメキを伴って。

 

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「狐崎浜」

PhotoWrite|Yu Shimawaki, Hayato Kano