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移住してきた若者と共に民宿の枠を広げていく
割烹民宿めぐろ
May 20 2017

 

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石巻の中心街から牡鹿半島へと車を走らせること50分ほど。潮の香りが流れてきた先には、

「割烹民宿めぐろ」

海、夕陽、星空。旅のはじまりに、最高の場所。

 

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建物の中に入ると、ペンギンさんからいらっしゃい。

 

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案内された部屋には敷き詰められた畳。大きな窓からたっぷりと入ってくる自然光。荷物を置い

て、まずは寝そべって思い切り伸びをする。上体を起こして窓へと目を向ける。先には広がる海。

 

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その海の幸をここでは味わうことができる。釣りや刺し網漁で獲れた新鮮な魚介類。ウニ、

シャコ、アイナメ、カレイ、アナゴ、クジラなどなど。旬のものを最高のタイミングで頂く。

 

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民宿創業以来からの逸品は、キンキのみぞれがけ。二度揚げすることで骨まで食べられる。

サクッ、ジュワッ。あふれ出す牡鹿半島の味。

 

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「浜のものを素直に出しています。以前は板前が出したいものを出していました。ここで獲れ

 たことをお伝えするとお客さんに喜んでいただけて。浜に顔を出すようにして直接買うよう

 になりました。」

 

そう語るのは、民宿若旦那の目黒 繁明(めぐろ しげあき)さん。仙台でサラリーマン時代を経

てこの民宿を継いだ。

 

「仕事に対する意識が変わりました。以前は父や母やおばちゃんがいて、分担が決まっている

中ではなかなか行動できなくて。ただ、スタッフが入れ替わって、自分の立場も変わってきて、

父も事業継承を意識し始めて、覚悟が生まれました。」

 

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民宿のイメージカラーは着ているTシャツの色であるピンク。その理由は、宴会場に飾られて

いる一枚の写真。民宿リニューアル前の建物が写っている。先代の父が民宿が目立つようにと

外観の色はピンクに決定。平成5年に民宿を始めた先代は、呉服店、民謡歌手、捕鯨船、行商

などさまざまな業種を経験。面白いと思ったものはどんどん取り込むというアイデアマンであ

り、行動力のある人だった。積み上げてきた歴史がこの色に詰まっている。

 

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「親父とは似たもの同士なんですよね。営業的なキャラクター、いいとこも、わるいとこも

 似てた。違う方向で盛り上げようとするんだけど、いつのまにか似てくる。」

 

目黒さんは、石巻に移住してきた若者を民宿の若女将として迎え入れた。新しいもの、未知

な世界を拒絶することなく、むしろ積極的に受け入れていく。

 

「外から来た人と一緒に働くことでいろんな発見ができます。自分ひとりでは何もできません。」

 

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若女将として民宿にやってきたのは、太田和美さん(29)。彼女はHOYAPAIという作品を作る

アーティスト。作品も民宿のイメージカラーのピンクというこれまた不思議な縁だった。それ

ではということで、世界でもここにしかいないHOYAPAI女将が誕生した。

 

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「いってらっしゃい、おかえりなさい、といえる関係づくり。自分がやれることってそうなの

 かなあって思っています。人との交流を大切にすること。お客さんが美味しいと言っていた

 ことを浜の人に伝えることもそう。自分がお話をすることで、身近に感じてもらえるように。

 民宿という枠を広げながら、人に感動を伝えられる場所にしていきたいです。」

 

やり方は同じではなくとも、人との交流という想いを父から受け継いでいる目黒さん。若旦那の

笑顔、HOYAPAI女将、ピンクの旗の下に生まれていく新しい人との繋がりは、牡鹿半島から広が

っていく。潮の香りを携えて。

 

「割烹民宿めぐろ」

address|石巻市小渕浜カント2-1
web|http://oshika-meguro.com/
tel|0225-46-2515
写真提供|目黒繁明さん
Photo write|シマワキ ユウ